こんな母になるはずじゃなかった
最近の私は、ずっとイライラしている。
「早くしなさい」 「ちゃんとしなさい」
気づけば、一日に何度この言葉を口にしているだろう。
正直に言うと、私はこんな母になるはずじゃなかった。もっと穏やかに、にこにこ子育てをするものだと思っていた。そもそも、怒るキャラクターでもない。人に声を荒げることなんて、めったにない性格だ。
なのに、中学受験が始まってから、イライラしている自分がいる。こんな自分になるなんて、想像もしていなかった。
息子の「原爆ドームに行きたい」から、広島へ
そんな中、塾のお休みを使って、弾丸で広島に行ってきた。
きっかけは息子だった。歴史の勉強のために「原爆ドームに行きたい」と言ったのだ。それなら、と思い立って、家族で広島へ向かった。
原爆ドームを見て、資料館に入った。
戦争の悲惨さを、目の当たりにした。展示のひとつひとつが重くて、言葉が出なかった。ここで、たくさんの人の当たり前の日常が、一瞬で奪われたのだと思うと、胸が締めつけられた。
そして、思った。
今、こうして家族が元気で生きている。それだけで、本当に幸せなことなんだ。
毎日イライラして、「早くしなさい」ばかり言っている自分が、急に恥ずかしくなった。私は何を焦っていたんだろう。目の前で息子が生きて、笑って、電車に夢中になっている。それ以上に大事なことなんて、本当はないのに。
日々の自分を、深く反省した。
でも、帰ってきたら元通り
——なのに。
家に帰ってきたら、あっという間に元の私に戻っていた。
「早くしなさい」 「ちゃんとしなさい」
あんなに反省したのに。広島で、あんなに大事なことに気づいたはずなのに。日常に戻ると、またイライラしている自分がいる。
情けないけれど、これが現実だ。人はそう簡単には変われない。それでも、あの広島で感じた気持ちは、心のどこかに残っている。イライラしたとき、ふとあの資料館の光景を思い出す。少しだけ、ブレーキがかかる。それだけでも、行った意味はあったのかもしれない。
今週末、合否判定テスト
そして今週末、合否判定テストがある。
思い返せば、この夏、息子は本当によく頑張った。早朝特訓に、夏期講習、通常授業。金曜以外はほとんど毎日、塾に通っていた。
なんといっても、まだ11歳だ。遊びたい盛り。友だちと遊びたいだろうし、ゲームだってしたいだろう。それでも塾に通い続けたこの夏は、素直に褒めてあげたい。
もちろん、完璧じゃない。宿題はなんとなくやっているだけだし、復習テストは相変わらず悪い。「もっとちゃんとやれば」と思うことは、正直たくさんある。
でも、少しずつ成績は上がっている。公開テストも、3回連続で伸びた。だから今は、この子とちゃんと向き合ってあげようと思っている。イライラをぶつけるんじゃなくて、頑張りを見てあげたい。
ただ、祈っている
今の私にできることは、もうそんなに多くない。
塾弁を作って、送り出して、帰りを待つ。あとは、この夏の頑張りが、ちゃんと結果に反映されることを、ひたすら祈るだけだ。
逆転できていますように。 報われますように。
イライラばかりの母だけど、この気持ちだけは、誰にも負けないくらい強い。
結果がどう出ても、この夏の息子の頑張りは本物だ。それだけは、私が一番よく知っている。

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